さぁ給油を終えて目指すは潮岬です。午後からは南風に変わりそうとの事。急げ急げです。
 

  さらば紀伊田辺。二度とボートで来ることはないと思います。実は格好良く出港したように見えますが出た直後またヒートしちゃったんです。ベルトを弱く張っていたら滑ったんでしょう。もう一度戻って給水して出直しました。あっバラしてもた。笑。

   

      いよいよ太平洋です。つい前々日まで5m近い波が荒れ狂った海とは思えないほど穏やかな海でした。こんな快適なクルージングは今までしたことがないというくらいの快適な走りです。
  風速は依然として結構吹いているのですが今朝から北東の風に変わったのでちょうど紀伊半島の風裏となり、陽光がきらきらと水面に輝くほどのグッドコンディションとなりました。
 

    見えました！本州最南端の潮岬です。いや〜これましたね〜。感激です。ここは風向きによっては10m以上の波が立つこともあるんだと聞いていたので来れないかと思っていました。ここを越えれば4日目標がかなり楽になります。風が出ないうちにガンバレガンバレ。
 

  12:00、潮岬を左アビームに見ます。感激の一瞬です。
 
 

 

  出発前一週間はずっと海上強風波浪警報が出っ放しだったとは思えませんね。きっとみんなの祈りが天に通じたんだと思います。今回のレグの航路は内航船のメインストリートだったため、ひっきりなしに本船と行き会います。追い越すときは近づかない様に慎重に慎重に。
 
 

  潮岬の東側、大島を回り込んだところにある串本港への入り口です。ここも暗岩が多くてアプローチが難しいですね。
 

   潮岬を越えていよいよ熊野灘です。今まで風裏だったのが真向かいの風になり、波高が大分高くなってきました。派手なスプレーを上げながら突っ走ります。波長がちょうど艇長と合ってしまいガンガンと脳天に響く叩き方。でも目指すは大王埼。スロットルを緩めずがんがん行きます。
  向こうに見えるのは紀伊勝浦です。とても良いところだそうで一度は行ってみたいですね。
 

    尾鷲沖の熊野灘を突っ走ります。最初はもっと荒れた海を予想していましたので、ここ尾鷲で給油する予定で手配していました。しかし昨夜で燃料消費率がはっきりし、ここまで快調すぎるほど快調で燃料はまだまだ心配ありません。それより今夜のステイ予定の志摩半島五ヶ所湾のマリーナへ行くアプローチが養殖筏のオンパレードのため夜間進入は絶対に出来ないと釘をさされていたので先を急ぎたい。尾鷲に寄ると大分遠回りになりますし、やはりアプローチが難しい。事前の問い合わせでは五ヶ所湾でも給油できると聞いていたので真っ直ぐ向かってしまおうということになりました。しばらく走って五ヶ所湾のマリーナにアプローチを確認がてら念のため給油が出来るかということを聞くと、なんと今日は休日なので給油できないというとんでもない答え！以前確認したときは大丈夫だといっておきながら、いざとなってみると出来ないなんてひどい奴だ！そうすると今日は大丈夫でも明日の早朝分の燃料に困ってしまう。しぶしぶるみいさんに「遠回りだけど燃料が無いんだったら仕方ない。尾鷲に向かいましょう。」というと、なんと五ヶ所湾に向かうつもりで尾鷲での給油に断りの電話を入れてしまったとのこと！「きゅっ給油所は次の手配が出来るまで断っちゃ駄目だよぉ〜｣といっても後の祭り。尾鷲もスタンバイを解除してしまい携帯に出ない。(休日なので特別に待ってもらっていた。本当にごめんなさい。)
   「ヒエ〜。」燃料孤児になってしまうぅ〜。
  それから太平洋上での電話攻勢が始まったのです。あちこち掛けるがなかなか上手い場所が見つからない。マリーナ河芸や三河御津マリーナでは給油できることが分かったんですが、相当な遠回りになってしまう。的矢湾でもまだ遠回りでアプローチが難しい。「それならいっそのこと浜名湖だ！」ということになり、マリーナひしめく浜名湖のマリーナに片っ端から電話すると、スズキマリーナで快く給油およびナイトステイを了承してもらいました。そうと決れば急げ急げです。
 

    はるか左手に大王埼を望みます。船上の騒ぎをよそに海はますます静かになってきました。ここはホントに太平洋上なのだろうか？20海里の沿海ぎりぎりの所にいるんですよ？！スロットル全開でGPS読みで29knotから30knot滑るように走っていきます。FBからはそうでもないですが、コックピットに降りるととんでもないスピードです。^^;

    熊野灘に沈もうかという夕日がとても奇麗でした。写真ではなかなかその美しさが出ませんね。
    しかし奇麗さだけに目を奪われてはいけません。現在の時刻15:00、日没16:40、スピード29knot、残る距離は50マイル。現在のペースで日没ギリギリです。でも我々にはナイトビジョンがある。薄暮の明るさがあれば十分です。浜名湖に入った後の複雑な水路もそれほど心配ありません。
 

   空に星が瞬き始める頃、ぴったり予定時刻に今切り口に着きました。普段は馬入河口並みに出入りの難しいと聞いている今切り口ですが今日は何と穏やかなことよ。アプローチは全く心配ありません。ただ一つ閉口したのは手漕ぎの釣り舟のような小さなボートが一面にいること。それもライトを点けていないものでうっかりすると突っかけてしまいそうです。

   さて無事今切り口も抜けて奥へ進もうとするとまたまたとんでもないトラブル発生！東海道線の橋脚が足が深くてくぐれないではないですか！ここはYAMAHAのお膝元、PC41とか走っていたのは何なの？ってただただ驚愕する一同です。スズキマリーナに電話してみると何と大潮の引きいっぱいでないとくぐれないとの事。ことここに至っては仕方ありません。丁重にお礼を言って左に見える漁港へと向けました。

  無事漁港の岸壁に着いてエンジン停止。10時間ぶっ通しでブン回ってくれたエンジンちゃんご苦労様でした。さて、でも燃料には参りました。走った具合からするとまだ300リッターほどは残っています。でもとても波浮や下田までは届きそうも無い。まぁどちらにせよ明日の海況も分からない今、お腹を空かした状態で出て行くのは無謀というもの。最悪の場合すぐ目の前の国道1号沿いにあるガソリンスタンドから給油すれば良いや。でも500リッターだとボリタン25本かぁ〜しんどいなぁ〜と能天気なことを話していました。

  そうこうしているうち漁協にステイの確認に行っていたるみいさんから電話。「給油できるからこっちゃへ来〜い」。いそいそと回してみると、一人の漁師さんとるみいさんが待っていました。「困っているときはお互い様だよ。給油してやるよ。ステイも問題ないからゆっくりしてきな。」と夢のようなお言葉。たっぷり給油してもらったルミクラは予想通り580Lほど飲み込みました。それにしても10時間以上も全開で走りつづけたのに580Lだなんて･･･。良く走るわね〜。
  その漁師さんと色々話してお礼にお酒でもと差し出すとどうしても受け取ってくださらない。「僕が東京湾でエンコしたら曳航しておくれ」って。かっこ良かったなぁ〜。お名前もお聞きしませんでしたが、本当にありがとうございました。(お顔の方もなかなかいい男でしたのよん)
 

  給油を終えてほっと一息した我々はともかく腹ごしらえに出かけました。何しろ昨日からパンとマーガリンしか食べていません。さぁ〜飯だぁ〜風呂だぁ〜と勢い良く出かけました。でもどこへ行くのも待ちきれなくて目の前にあったラーメン屋さんへ。
  ラーメン大盛り〜唐揚げ〜煮込み〜なんでも良いから順番に持ってきてぇ〜状態でまぁ食べました食べました。
天気予報で明日もまずまずの天気だが午後から南の風が吹くとの事。明日も早朝出です。お腹もいっぱいになりほろ酔い気分でボートに帰るとまだ20時。でももうお風呂なんていいや。寝ましょ寝ましょということでシュラフに潜り込みました。みんなあっという間に寝ちゃいましたね。

  と携帯の音が。時計を見ると23時ちょっと･･･寝ぼけ声で出るとＴＯＰさんからの威勢のいいメッセージです。明日着くなら三崎辺りまで出迎えに行くとの事。「うれしぃ〜ありがとぉ〜明日電話するね〜」と寝ぼけながら返事をした次の瞬間寝ていました。
  さすがに疲れましたね〜。ルミクラよ。明日も頑張ってくれ。
 

 
 

このレグ

　10:30　紀伊田辺を出港
　17:00　浜名湖着 漁港にて給油 170nm、580L
 

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